事業計画統合ドキュメント
事業計画統合ドキュメント
このドキュメントは、Vectaの事業計画関連のすべての情報を統合したものです。
1. まちのAI自治会アプリ『ことづて日和』
地域の記憶を、未来へ綴る。まちのAI自治会アプリ『ことづて日和』
『ことづて日和』は、単なる自治会アプリではなく、地域の声、知恵、記憶といった情報を整理し、AIを媒介にして、次の世代に語り継ぐ、“持続型AI自治プラットフォーム”です。
『ことづて日和』が解決する地域課題
-
情報の属人化
- 防災訓練のノウハウ、お祭りの準備、地域に眠る伝説、ローカルなルール、人に依存して継承されていない。
- 👉 AI × LINE × データベース によって、誰でも見られ、引き継げる知識資産へ。
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自治会活動の担い手不足と世代間ギャップ
- 若者の自治会離れ、高齢者のデジタル格差が進行。
- 👉 LINEを窓口にした使いやすい設計で、世代を問わず参加しやすい仕組みへ。
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災害時の情報格差
- 紙ベースの連絡、個別対応、避難行動の遅れ。
- 👉 AIチャットボット と パーソナル化された情報 によって、災害時の即応・拠点化を実現。
『ことづて日和』が提供する価値
| 領域 | 提供価値 |
|---|---|
| 📘 地域ナレッジ継承 | 地域の諸先輩方の知恵・地域の伝説・お祭りの段取りなどを “語り継ぐ” データベースに。 |
| 🤝 行政連携 | マイナンバー・自治体LINE公式アカウントと接続し、行政サービスのデジタル化を支援。 |
| 🛟 防災力強化 | 避難場所案内、安否確認、ハザードマップとの連携による 地域の防災ハブ化。 |
| 👥 世代間ブリッジ | 高齢者から若者へ、若者から高齢者へ、世代を超えた知の循環と支援の構築。 |
| 📲 日常の”記録と共感” | 地域の日常を記録・共有し、地域の声や思い出が未来の知恵となるしくみ。 |
地域課題とデジタル解決
社会的課題(データに基づく現状分析)
| 課題区分 | 現状値 | 課題の具体例 |
|---|---|---|
| 地域コミュニティ弱体化 | 自治会加入率56.5%(R3年調査) | 若年層の自治会離れ、高齢役員の担い手不足 |
| 災害時情報伝達の脆弱性 | 災害情報取得手段多様化で8.3%が情報未取得(R2防災白書) | 避難行動の遅れ、要支援者の把握困難 |
| デジタルディバイド | 高齢者インターネット利用率66.3%(R4総務省) | 高齢者の情報孤立、行政手続きの負担 |
| 行政-住民の情報非対称性 | 自治体アプリ平均利用率12.3%(R3総務省) | 行政情報の到達率低下、住民ニーズの把握困難 |
| 地域ナレッジの消失 | 無形民俗文化財の後継者不足80.2%(文化庁) | 地域固有の知恵・文化の継承困難 |
デジタルによる解決アプローチ
- 自治体加入率の向上
- 防災情報共通APIによる避難所・ハザード情報のリアルタイム連携
- 複数自治会共通のナレッジDB構築と横断的に活用できる仕組み
- マイナンバーカード認証連携によるパーソナライズ情報との連携
提供するデジタルソリューション
システム構成
| 機能区分 | 実装内容 | デジタル変革性 |
|---|---|---|
| フロントエンド | - LINE公式アカウント - マイナポータル連携機能 - Web/PWAアプリ(多言語対応) | 複数チャネルでの利用者接点確保 |
| コア機能 | - 大規模言語モデル搭載チャットボット - マイナンバーカード認証基盤 - 地域情報パーソナライズエンジン | 最先端AIと認証技術の統合 |
| データ連携基盤 | - 防災情報共通API - 自治体間ナレッジ共有システム - 地域オープンデータ連携機能 | データ連携による価値創出 |
| バックオフィス | - 自治体・自治会向け管理ポータル - 分析ダッシュボード - ナレッジ管理システム | 業務効率化とEBPM推進 |
マイナンバーカード活用機能
- 本人確認を伴う防災情報受信(要支援者情報連携)
- パーソナライズされた地域情報のプッシュ配信
- 自治体手続きのワンストップ対応と連携
- 地域ボランティアポイント
事業効果と評価指標(KPI)
社会的効果(定量KPI)
| 指標項目 | 現状値 | 事業1年後 | 事業3年後 |
|---|---|---|---|
| システム利用自治体数 | 0 | 3自治体 | 20自治体 |
| 導入自治会・地域組織数 | 0 | 30組織 | 500組織 |
| 住民登録率(対象地域人口比) | 0% | 15% | 40% |
| 災害情報到達率(模擬訓練で検証) | 60% | 80% | 95% |
| マイナンバーカード認証利用率 | 0% | 20% | 50% |
| 地域情報アクセシビリティスコア | 基準値 | +20% | +50% |
デジタル変革効果
| 変革領域 | 指標と効果測定方法 |
|---|---|
| 住民QoL向上 | 情報取得満足度調査、アクセス解析 |
| 自治体業務効率化 | 情報発信・問合せ対応工数削減率 |
| 自治会DX促進 | ペーパーレス化率、デジタル対応率 |
| 防災レジリエンス | 訓練時の情報伝達速度・到達率 |
| データ利活用 | 二次活用データ種類数、API利用数 |
予算計画
- デジタル田園都市国家構想 TYPE3に対応させ、補助率2/3に基づく予算化
地方創生への寄与
- 地方コミュニティのデジタル基盤強化による活性化
- 災害に強い地域形成を通じた定住促進
- デジタル人材の地域内育成と活躍機会創出
デジタル社会形成基本原則への適合
- 誰一人取り残さない(高齢者向けUI/UXの最適化)
- オープン・透明(オープンデータ連携基盤の整備)
- 迅速・柔軟(地域特性に応じた拡張性)
- 分散・分権(地域自律型のデジタルコモンズ形成)
- 包摂・多様性(多言語・バリアフリー対応)
持続可能な運営モデル
自走化計画(3年後以降)
- 初期3年間は交付金活用、その後は自治体とのSaaS契約へ移行
横展開・普及戦略
- 先行自治体での成果・評価指標を可視化したオープンデータポータル
- 防災・地域DXに関する自治体間連携コミュニティの形成
実施スケジュール
2025年度
- 基本設計、要件定義
- データモデル設計
- 先行自治体発掘
2026年度
- 予算化に向けた営業活動
将来展望
発展的取組み
- 見守りシステム連携による地域包括ケア強化
- 地域通貨・ポイント連携による地域経済循環促進
- 自治体間データ連携による広域防災体制の構築
2. AIチャットボット事業
市場概要
自治体向けAIチャットボット市場は成長しており、主要プレーヤーとして以下が存在:
- OfficeBot
- amie AIチャットボット(POL社)
- 法人向けRAGサービス
それぞれ自治体導入実績があり、価格は大体月10〜20万円程度。
OfficeBotは出典表示がファイルごと表示で、ページや引用文表示、PDFビューワー等は使えないらしい(差別化可能)。
自治体導入実績
| 自治体(発注機関) | 事業名・種類 | 契約・入札日 | 契約額(万円) | 補助金等 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 佐賀県唐津市 | AIチャットボット導入業務(随意契約) | 2024-08-13 | 174.9 | - | 市民+庁内FAQ |
| 岐阜県大垣市 | AIチャットボットサービス構築・運用保守 | 2024-08-08 | 143.0 | - | 市民FAQ |
| 鹿児島県志布志市 | AIチャットボット導入業務(プロポーザル) | 2023-08-21 | 686.4/年 * | - | 市民+庁内FAQ |
| 東京都中野区 | AIチャットボットサービス導入業務委託 | 2024-10-21 | ― | - | 市民FAQ |
| デジタル庁(国) | 国・地方共通相談チャットボット設計・開発 | 2023-12-15 | 8,525.8 | 予算(国費) | 国・自治体横断 |
- 志布志市は初期+月額の年間上限額(令和6年度以降 686.4万円)を記載。
AIチャットの差別化ポイント
- 役所内問い合わせ・住民問い合わせ機能両方あることを示す
3. 自治体アプリ導入事例
| 自治体(主体) | 事業名・アプリ | 採択・公表日 | 事業費/契約額(万円) | 交付金区分 | 導入範囲・特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 富山県滑川市 | 町内会運営アプリ活用による地域デジタル化推進事業 | 2023-11 | 301.5 | デジ田交付金 | 市内町内会に段階導入、「結ネット」採用 |
| 滋賀県大津市 | 電子回覧板プラットフォーム構築(CHIKUWA!) | 2024-12-11 | ― | デジ田交付金 | 学区自治連合会~自治会向け電子回覧 |
| 長野県上田市 | デジタル自治会グループ機能等構築事業 | 2024-03-29 | 2,673.5 | デジ田交付金 | アプリ内音声PUSH・自治会グループ |
| 神奈川県南足柄市 | 自治会SNS「いちのいち」導入支援 | 2025-03-27 | 無料(市負担) | 市独自補助 | 希望自治会にSNS+電子回覧を提供 |
| 全国10自治体(高浜市ほか) | 自治会運営支援システム「CHIKUWA!」正式リリース | 2025-02-28 | ― | 各自治体が順次採択 | 10自治体で同時本格運用開始 |
4. デジタル田園都市国家構想交付金について
制度の目的と全体像
- 目的:デジタル技術を活用し、地方の社会課題を解決しながら住民の Well-Being と地域の活力を高める取組を後押しする。交付金で “立ち上げ費用” を支援し、短期でサービスを実装・効果検証して横展開を促す。
- 年度予算規模:令和5年度補正 735 億円+令和6年度当初要求 1,200 億円(デジタル実装タイプ分等を含む)
- 申請主体:都道府県、市区町村(特別区含む)。申請上限は都道府県9件・市町村5件/年(TYPEの合計)。
類型と補助率・上限額
| 類型 | 位置づけ | 国費上限 *¹ | 補助率 | 主な要件・イメージ |
|---|---|---|---|---|
| TYPE1 | 優良モデルの迅速な横展開 | 1 億円(事業費2 億円) | 1/2 | すでに実証済みのサービスを住民向けに実装。単年度で稼働が必須。庁内のみは対象外。 |
| TYPE2 | データ連携基盤+複数サービス | (公表資料ベースで)5 億円目安 | 1/2 | オープンなデータ連携基盤を構築し、複数分野サービスを同時に実装。事前相談必須。 |
| TYPE3 | TYPE2の高度版(先進 × 広域) | 10 億円目安 | 2/3(一部 3/4 *²) | TYPE2要件+マイナンバー利活用等の高度要件を満たすモデル事業。 |
| TYPES | 行財政改革先行挑戦型 | 10 億円超も可 | ~3/4 | 国・地方共通基盤の先行実装やEBPM調査等、統一基盤化を視野に入れた実証。 |
*¹ 国費上限は市町村案件の標準的目安。都道府県・広域連携事業は上乗せ可。
*² マイナンバー利活用・標準化準拠など「優遇措置」を複数満たすと補助率が 2/3→3/4 に引き上げ。
申請/採択スケジュール(令和6年度二次募集例)
| フェーズ | 2025年度想定日程(参考) |
|---|---|
| 事前相談開始 | 5 月中旬 |
| 事前相談締切 (TYPE1 再申請など) | 5/17 10:00 |
| 実施計画書提出締切 | 6/21 10:00 |
| 内示・公表 | 8 月上旬 |
| 交付決定 | 8 月中~下旬 |
| 実装完了期限 | 当該年度末(3/31) |
※一次募集は例年4~5月開始、二次募集は6月~8月決定が通例。
主な申請要件(TYPE1基準)
- 地域課題の解決・魅力向上が明確であること
- “地域・暮らし” に実装するサービス(住民が直接裨益)であること
- 庁内利用だけの業務効率化ツールは対象外。
- 他地域で確立した優良モデルを活用すること
- 推進体制(庁内+事業者+関係団体)が確立していること
- KPI(アウトプット・アウトカム)を設定して効果測定すること
- デジタル原則の遵守・セキュリティ確保・マイナンバー利活用等で加点あり。
交付対象経費と除外項目
- 対象:システム構築費、クラウド利用料(立上げ一括分)、ライセンス、周知・啓発費、評価費用 等。
- 除外:職員人件費、単なる調査や実証実験のみ、ランニングコスト(複数年契約初年度一括支出を除く)、単独の施設整備や備品購入など。
審査/配点のイメージ(TYPE1)
| 大項目 | 配点 | ポイント |
|---|---|---|
| サービス内容(政策適合性) | 18 | 課題の具体性・KPIの妥当性 |
| 推進体制 | 15 | 庁内横断・民間連携 |
| 事業計画 (実装・運営) | 29 | 単年度で実装可能か/持続運営計画 |
| 政策的優遇措置 | 12 | スタートアップ活用・地域連携・マイナ利活用等 |
交付金獲得に向けた実務ポイント
| ステップ | 具体策 |
|---|---|
| 課題定量化 | 電話応対件数、窓口待ち時間、自治会加入率など現状値を把握し「数値ターゲット」を設定 |
| 優良モデルの選定 | 他自治体で稼働済みのチャットボット/自治会アプリを参照し、横展開として位置付ける |
| KPI設計 | 利用者数・回答精度・住民満足度・職員工数削減率 などアウトプット+アウトカムをセット |
| 推進体制 | 首長直轄のDX推進本部+現場部局+ベンダー+地域団体でコンソーシアム化 |
| 横展開・再現性 | 県域共同、近隣市町との連携、オープンデータ化など “モデル性” をアピール |
| 早期予算計上 | 6月提出締切に間に合わせるよう補正予算も視野に入れ、議会スケジュールを逆算 |
Vectaで考えてる事業メモ
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チャットAI(市民向け+庁内効率化の両面)
- ガイドラインに明示的に例示されており採択実績が多い。
- 内部業務専用だと対象外だが、市民窓口も同時に実装すれば要件を満たしやすい。
- https://www.chisou.go.jp/sousei/about/mirai/pdf/digidenkohukin_2023type123_gaiyou2.pdf (56ページに記載あった)
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自治会アプリ(電子回覧板・コミュニティDX)
- 採択実績は少ないが、防災連携・高齢者支援を絡めて “公共性” を強調すると通りやすい。
- 広域(市内全自治会への展開計画)やマイナ連携を入れると加点。
まとめ
- 補助率:TYPE1/2=1/2、TYPE3=2/3(優遇措置で3/4)、TYPES=最大3/4。
- 上限額:TYPE1 国費1 億円、市町村でも十分に手が届く規模。
- 最大のキモは「住民に直接裨益する実装」「単年度稼働」「再現性・横展開」。
- チャットAIは住民向け機能を併せれば高確度で採択が狙える。
- 自治会アプリは採択実績こそ少なめだが、防災・高齢者・全域展開の要素を盛り込めばチャンスあり。
交付金獲得を見据えて計画を策定する際は、上記要件を網羅する形で 地域課題 → デジタル解決策 → KPI → 体制 → 予算 → 横展開 の流れを一貫して示すことが最重要です。
5. その他の事業要素
防災アプリ
(詳細情報なし)
事業計画の補足情報
デジタル田園都市国家構想交付金などの補助金がないと予算化しづらい。
単なる内部マニュアルのAI化だと要件満たせない可能性が高く、「住民サービス向上」という明確な公共的価値が必要。