AIナレッジベースシステム構想
1. システム概要
本システムは、大規模な文書群から知識を抽出・構造化し、自然言語での問い合わせに対して高精度な回答を生成する、エンタープライズグレードのAIナレッジベースシステムです。
2. 技術アーキテクチャ図
2.1 データインジェスト&処理フロー
graph TB
subgraph DS ["データソース層"]
PDF["📄 PDFドキュメント"]
WEB["🌐 Webサイト/Wiki"]
VIDEO["🎥 動画コンテンツ"]
AUDIO["🎙️ 音声データ"]
DB["🗄️ 既存DB/ERP"]
API_SRC["🔌 外部API"]
GITHUB["📁 GitHubリポジトリ"]
end
subgraph DG ["データ取得層"]
UPLOAD["ファイルアップロード"]
CRAWLER["Webクローラー"]
TRANS["音声/動画変換"]
SYNC["データ同期"]
GIT_SYNC["Git同期/API連携"]
end
subgraph PRE ["前処理層"]
OCR["OCR処理"]
SPEECH["音声認識"]
EXTRACT["テキスト抽出"]
META["メタデータ抽出"]
end
subgraph INT ["インテリジェント処理層"]
ORIENT["縦書き/横書き判定"]
CHUNK["階層的チャンキング"]
SEMANTIC["セマンティック分析"]
LABEL["自動ラベリング"]
end
subgraph VEC ["ベクトル化層"]
EMBED["埋め込み生成
OpenAI/Claude"]
HIER["階層構造保持"]
INDEX["インデックス作成"]
end
subgraph STORE ["ストレージ層"]
QDRANT[("Qdrant
ベクトルDB")]
STORAGE[("Firebase Storage
原文保存")]
FIRESTORE[("Firestore
メタデータ")]
end
PDF --> UPLOAD
WEB --> CRAWLER
VIDEO --> TRANS
AUDIO --> TRANS
DB --> SYNC
API_SRC --> SYNC
GITHUB --> GIT_SYNC
UPLOAD --> EXTRACT
CRAWLER --> EXTRACT
TRANS --> SPEECH
SYNC --> META
GIT_SYNC --> EXTRACT
EXTRACT --> ORIENT
SPEECH --> CHUNK
META --> CHUNK
ORIENT --> CHUNK
CHUNK --> SEMANTIC
SEMANTIC --> LABEL
LABEL --> EMBED
EMBED --> HIER
HIER --> INDEX
INDEX --> QDRANT
EXTRACT --> STORAGE
META --> FIRESTORE
2.2 質問応答処理フロー
graph TB
subgraph UI ["🎯 ユーザーインターフェース"]
direction TB
USER["👤 ユーザー"]
WEB_UI["💻 Webアプリ"]
MOBILE["📱 モバイル"]
VOICE["🗣️ 音声アシスタント"]
CHAT["💬 チャットボット"]
end
subgraph AUTH_FLOW ["🔐 認証・ルーティング"]
direction TB
AUTH["Firebase Auth
トークン検証"]
TENANT["テナント識別
権限チェック"]
ROUTER["APIルーター
負荷分散"]
end
subgraph WORKFLOW ["🤖 LangGraphワークフロー(AI処理エンジン)"]
direction TB
ANALYZE["📊 クエリ分析
意図理解・キーワード抽出"]
SEARCH["🔍 マルチ戦略検索
複数手法の並列実行"]
GENERATE["✏️ 回答生成
GPT-4/Claude活用"]
EVALUATE["⚖️ 品質評価
精度・完全性スコア"]
IMPROVE["🔧 回答改善
追加コンテキスト付与"]
HIGHLIGHT["💡 ソース明示
根拠・出典情報"]
end
subgraph SEARCH_ENGINE ["🔎 高度検索エンジン"]
direction LR
VECTOR["ベクトル
類似検索"]
SEMANTIC_S["セマンティック
意味検索"]
HIERARCHICAL["階層的
コンテキスト検索"]
HYBRID["ハイブリッド
統合検索"]
end
subgraph KNOWLEDGE ["📚 知識ベース"]
direction TB
QDRANT_Q[("🗄️ Qdrant
ベクトルDB")]
CACHE["⚡ Redis
キャッシュ層"]
end
%% フロー接続
USER --> WEB_UI
USER --> MOBILE
USER --> VOICE
USER --> CHAT
WEB_UI --> AUTH
MOBILE --> AUTH
VOICE --> AUTH
CHAT --> AUTH
AUTH --> TENANT
TENANT --> ROUTER
ROUTER --> ANALYZE
ANALYZE --> SEARCH
SEARCH --> VECTOR
SEARCH --> SEMANTIC_S
SEARCH --> HIERARCHICAL
SEARCH --> HYBRID
VECTOR --> QDRANT_Q
SEMANTIC_S --> QDRANT_Q
HIERARCHICAL --> QDRANT_Q
HYBRID --> QDRANT_Q
QDRANT_Q --> CACHE
CACHE --> GENERATE
GENERATE --> EVALUATE
EVALUATE -->|品質不十分| IMPROVE
IMPROVE --> EVALUATE
EVALUATE -->|品質良好| HIGHLIGHT
HIGHLIGHT --> USER
3. コア機能と処理詳細
3.1 現在実装済みの機能
📚 ドキュメント処理
- PDFインテリジェント解析
- 日本語縦書き/横書き自動判定
- ページごとのテキスト抽出と位置情報保持
- 表・図表の構造認識
🔍 高度な検索機能
- マルチ戦略検索
- ベクトル類似検索(埋め込みベース)
- セマンティックラベル検索(AIによる意味理解)
- 階層的チャンク検索(文脈保持)
- ハイブリッド検索(複数戦略の組み合わせ)
🤖 AI駆動の回答生成
- LangGraphワークフロー
- クエリ意図分析と拡張
- マルチステップ推論
- 回答品質の自動評価
- 不十分な場合の自動改善
- ソース情報の明示
🏢 エンタープライズ機能
- マルチテナント対応
- 完全なデータ分離
- テナント別の権限管理
- 使用量追跡
3.2 拡張可能な機能
🎥 マルチメディア対応
動画処理: - 自動文字起こし(Whisper API) - シーン分割と要約 - 視覚情報のテキスト化 - タイムスタンプ付き検索
音声処理: - リアルタイム文字起こし - 話者分離 - 感情分析 - コールセンター録音解析🌐 リアルタイムデータ統合
外部データソース: - REST API連携 - データベース同期 - IoTセンサーデータ - SNSフィード統合 - 在庫管理システム連携
GitHubリポジトリ連携: - 開発ドキュメント自動取込 - READMEファイル同期 - Wikiページ連携 - Issue/PR情報活用 - コード変更履歴追跡 - 技術仕様書の自動更新4. 業界別活用シナリオ
4.1 自治体向け活用例
住民サービスボット
機能: - 各種手続きの案内(転入届、婚姻届、etc) - 施設予約・利用方法 - ゴミ分別・収集日案内 - 災害時情報提供 - 多言語対応(外国人住民向け)
データソース: - 条例・規則文書 - 手続きマニュアル - FAQ集 - 広報誌バックナンバー - 議事録職員向け業務支援
機能: - 法令・条例の即座検索 - 過去の類似案件検索 - 申請書類の記入支援 - 窓口対応マニュアル検索
効果: - 業務効率化: 30%削減 - 対応品質の均一化 - 新人教育の効率化4.2 外食産業向け活用例
🍽️ 顧客向けサービス
アレルギー・栄養情報コンシェルジュ
機能: - アレルゲン情報の即座回答 - カロリー・栄養成分の提供 - おすすめメニュー提案 - 食材の産地情報提供
データソース: - 全メニューレシピDB - 食材仕入れデータ - アレルギー対応表 - 栄養成分データベース
対話例: User: "卵アレルギーがあるんですが、食べられるパスタはありますか?" AI: "卵を使用していないパスタメニューは以下の3品です: 1. トマトバジルパスタ(ヴィーガン対応) 2. ペペロンチーノ 3. 季節野菜のオイルパスタ なお、麺自体には卵を使用していない製品を使用しています。"予約・注文アシスタント
機能: - 空席確認・予約受付 - テイクアウト注文 - 団体予約の相談 - 特別メニューの相談
統合システム: - POS連携 - 予約管理システム - 在庫管理システム👥 従業員向けサービス
業務マニュアル検索システム
機能: - 調理手順の確認 - 衛生管理規定の検索 - トラブル対応方法 - 新メニューレシピ学習
データソース: - 調理マニュアル - 衛生管理文書 - 研修資料 - 動画マニュアル
活用例: Staff: "ビーフシチューの仕込み手順を教えて" AI: "ビーフシチューの仕込み手順: 1. 牛肉の下処理(動画リンク付き) 2. 野菜のカット方法 3. ブラウンソースの準備 4. 煮込み時間と温度管理 [詳細な手順と注意点を表示]"店舗運営支援
機能: - 売上データ分析 - 人員配置最適化提案 - 食材発注量提案 - クレーム対応支援
データ活用: - POSデータ - 勤怠データ - 在庫データ - 顧客フィードバック4.3 その他の業界応用例
🏥 医療・ヘルスケア
用途: - 診療ガイドライン検索 - 薬剤情報照会 - 患者向け説明資料生成 - 医療従事者研修支援🏭 製造業
用途: - 技術仕様書検索 - トラブルシューティング - 品質管理文書管理 - 作業手順書の検索🏦 金融機関
用途: - 規制・コンプライアンス文書検索 - 商品説明書の検索 - 内部規定の照会 - 顧客向けFAQ対応5. 技術的特徴と優位性
5.1 差別化要因
🎯 日本語特化の処理
- 縦書き/横書き混在文書の処理
- 日本語特有の文脈理解
- 敬語レベルの調整
🔄 階層的情報管理
3層チャンク構造: 大チャンク(〜1000文字): 文脈保持 中チャンク(〜300文字): 標準検索 小チャンク(〜100文字): 詳細検索⚡ パフォーマンス最適化
応答速度: - 平均応答時間: 2-3秒 - 同時接続数: 1000+ - キャッシュヒット率: 70%
スケーラビリティ: - 水平スケーリング対応 - マルチリージョン展開可能 - 自動負荷分散6. セキュリティとコンプライアンス
データ保護: - エンドツーエンド暗号化 - ロールベースアクセス制御 - 監査ログ完備
コンプライアンス: - 個人情報保護法準拠 - GDPR対応可能 - ISO27001準拠設計